露出とは
今回は川中で話題になった露出についてです。
露出って何でしょうね?
とりあえずネットで調べてみると、「野外露出」とか、そんなのばっかです。
辞書で調べると、
1.覆わずににあらわに出すこと。
2.写真機でシャッターを開いてフイルムや乾板に光を当てること。露光。
とありました。
要は普段は覆い隠しておくべき部分を光の下にさらすということでしょうか。
これをデジカメで考えるならば、CCDやCMOSなどの撮像素子は
普段は光に当たらないように隠してあるが、シャッターが開き、
そこに光があたる、ということです。
適正露出って?
では次に適正露出について考えてみましょう。
適正露出って何でしょうね?何をもって適正というのか・・・。
まったく露出しなければ画像は真っ黒で、極端に露出しすぎると画像は真っ白になります。
その中間で、適当な時間光が当たるとちょうどいい明るさの画像に仕上がります。
仕上がりが見た目と同じくらいの明るさに感じられれば、それを適正露出と呼ぶことにしましょう。
カメラの露出判断
まあ、難しいことを考えなくても、カメラに任せておけば露出を判断して撮ってくれますから、まずはカメラに任せて撮ってみましょう。
カメラの測光機能はどんどん進化していますので、ほとんどのシーンで適正な露出に導いてくれるはずです。
でもカメラも判断を誤ることがあります。
また意図的に露出をコントロールして表現する方法もあります。
ここでひとつ実験をして見ます。
カメラ任せにして白いものと黒いものを撮りました。
純白のはずのアップルのマークと漆黒のはずのカメラキャップがほぼ同じ明るさに写ってしまっています。
乱暴に言うと明るさが均一のものをカメラ任せに撮るとすべて同じ明るさになってしまうということです。
どちらの写真も平均すると約17%のグレーになっているはずで、これは決まりだと思ってください。
逆にこの機能を利用して17%グレーのカードをカメラで測光すれば、
その場所の絶対的な明るさを判断する指標となり、その数値は入射式露出計と同じになるはずです。
露出補正
下はそれぞれカメラで露出補正をして撮影したもの。
アップルは+2、カメラキャップは-2の補正をしました。
先ほどカメラも判断を誤ると書きましたが、いつも正しい判断をするので困る、
と言い換えたほうがいいかもしれません。
また評価測光ではさまざまなシーンを判断して測光するので、
カメラ任せの撮影でも失敗することは少なくなってきていると思います。
フイルム派は特にカメラの癖を理解して露出補正をしてください。
デジタルの場合は取り直しができるシーンでは結果を確認しながら何度でも撮り直してみましょう。
要はどんな風に撮りたいのかを考え、そこに到達するためにカメラの判断した露出をどのように補正するのか、しないのか、という話です。
以下は実践サンプルです。参考にしてください。
上
カメラ機種名 Canon EOS Kiss Digital X
撮影モード プログラムAE
Tv(シャッター速度) 1/125
Av(絞り数値) 4.0
測光方式 評価測光
露出補正 +2/3
ISO感度 100
レンズ EF-S60mm f/2.8 Macro USM
焦点距離 60.0 mm
下
カメラ機種名 Canon EOS Kiss Digital X
撮影モード プログラムAE
Tv(シャッター速度) 1/60
Av(絞り数値) 2.8
測光方式 評価測光
露出補正 +2
ISO感度 100
レンズ EF-S60mm f/2.8 Macro USM
焦点距離 60.0 mm
逆光だったので上のデータですでに+2/3の補正をしていますが、
画像を確認してそれでは足りないと+2にしたのだと思われます。
もっと明るく撮りたいところですが、マニュアルモードに切り替えるのは
もう一手間かかって大変なのでやめちゃったようです。
こんなことではいけませんね。
上
カメラ機種名 Canon EOS Kiss Digital X
撮影モード 絞り優先AE
Tv(シャッター速度) 1/8
Av(絞り数値) 5.6
測光方式 評価測光
露出補正 0
ISO感度 400
下
カメラ機種名 Canon EOS Kiss Digital X
撮影モード 絞り優先AE
Tv(シャッター速度) 1/30
Av(絞り数値) 5.6
測光方式 評価測光
露出補正 -2
ISO感度 400
レンズ EF-S10-22mm f/3.5-4.5 USM
これは授業用に撮ったものです。